免疫細胞療法 Immuno-cell therapy
免疫細胞療法の特徴
- 患者様の自己細胞を使用するため、本質的に副作用がほとんどない
- 基本的に外来通院による治療が可能
- 化学療法や放射線療法との併用により相乗効果が期待できる
- の補助療法として、再発予防効果が期待される
免疫細胞療法は、免疫の働きを人為的に強めることによりがん細胞の増殖を抑える治療法です。患者様自身の免疫細胞を体外で培養・加工して強力に活性化させたり、新しい機能を付加させたうえで、再び患者様の体内に戻して治療を行います。本質的に副作用がなく、患者様の生活の質を維持しながら治療していくことが可能な全身療法として臨床使用されています。
免疫細胞療法の種類
Ⅰ.アルファ・ベータT細胞療法(αβT細胞療法)
血液中から採取したT細胞を、抗CD3抗体とIL-2によって活性化、増殖させて患者様自身の体内に戻す治療法です。活性化されたαβT細胞が全体の約90%を占めています。
Ⅱ.ガンマ・デルタT細胞療法(γδT細胞療法)
血液中に含まれるT細胞を採取し、ゾレドロン酸とIL-2によって選択的に活性化、増殖させて患者様自身の体内に戻す治療法です。αβT細胞と比較して、活性化されたγδT細胞が数多く占めています。
Ⅲ.CTL療法
胸水または腹水等から得られたがん細胞を用いて血液中から採取したT細胞を刺激することにより、特定のがん細胞を攻撃する細胞障害性T細胞(CTL)を誘導し、抗CD3抗体とIL-2によって活性化、増殖させて患者様自身の体内に戻す治療法です。
Ⅳ.樹状細胞ワクチン療法(DCワクチン療法)
血液中の単球から分化させた樹状細胞に、その標的となる患者様自身のがん細胞または、がんペプチドを貪食させて体内に戻す治療法です。投与された樹状細胞が体内で抗原提示することにより、がん細胞特異的CTLが誘導されることを期待するものです。
治療が適応の方
悪性腫瘍の方(一部の白血病、T細胞型の悪性リンパ腫を除く)
病状については、かなり進行してしまっている方から、比較的に早期に手術ができた後に再発を抑えることを目的とした方まで広く対象となります。より優れた効果を期待するために、なるべく早い時期から治療を開始されることをおすすめいたします。
また、手術後に再発を予防する目的で受診される方もいます。
現在、化学療法など他の治療を受けている方
ご病気の経過に応じて、他の治療の併用もご相談いたします。併用に関しては、患者さんのご希望をうかがい、最良の方法を提案していきます。実際に、これまで当院で治療を受けられた患者さんは化学療法や放射線療法などを併用されています。治療はおかかり中の医療機関の医師とご相談しながら、ご協力のもとで行います。
原則として外来通院が行える方
免疫細胞療法は副作用の少ない治療法ですが、患者さんの御身体の状態を十分にお考えいただきご来院ください。
車椅子で来院される方はご相談ください。
料金
患者様に合わせたオーダーをいたします。
詳しくは、お問い合わせ下さい。03-3593-7660